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【製造・開発】外注管理のポイントをおさえ、全体の業務を効率化へ

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外部企業から製品やサービスを購入することを意味する外注ですが、カタログから既製品を購入するようなケースでは注文書を発行して完結する一方で、量産部品の手配や製品開発を外注するようなケースでは、発注者側がある程度外注管理をする必要があります。その場合の管理項目と注意すべきポイントについて解説します。

外注管理とは?具体的に何をどう管理する?

外注管理とは、企業がより良い製品やサービスを作り上げるために、外部企業が持つ専門技術や独自技術を有効に活用し、必要量を必要なタイミングで、適正な価格で調達するための管理活動です。

その中には、外部から資材を購入する購買管理から、外部の専門企業へ業務委託した場合のプロセス管理に至るまで幅広い業務範囲を指します。特に、製品や事業の持続性や採算性確保のためには、最小のコストで必要な機能や価値を実現する必要があり、外注管理が担う役割はとても大きいと言えます。

具体的には、以下のような業務内容が挙げられます。
a. 用途に最も適した物の購入仕様制定(品質管理)
b. 信頼できる取引先の選定
c. 適正な価格の算定
d. 納期の管理
e. 適正な在庫の維持
f. むだのない輸送方法の構築

特に、量産部品の外注や製品開発といった、自社製品やサービスに直結する領域を外注する場合では、
a.用途に最も適した物の購入仕様制定(品質管理)
d. 納期の管理
が非常に重要と言えます。
時には、自社の品質基準や管理基準を満たすレベルまで、監査といった内容で外部企業側のプロセスに対し、是正や指導をおこなう必要が発生します。

外注管理で注意すべきポイント

外注管理で注意すべきポイントは、次の項目が挙げられます。
・丸投げしないこと
・要所でチェックポイントを設けること
・業務の見える化をすること

品質や納期に関わる認識や価値観は企業によって大きく異なり、自社では当然と捉えている認識が他社では全く通用しない場合があります。外部企業へ製品やサービスを依頼する場合、抜け漏れのない、一意性のある意思疎通が必要です。そのためには、発注仕様書による取り決めや、定期的な進捗確認、監査計画の制定など、外部企業との連携とコミュニケーション構築が重要です。

また、そういった管理業務は担当者に属人化しやすく、その担当者がいないと、管理業務そのものの非効率化が発生し、かつ、何がいつどれだけ入ってくるのか、何が遅れているのかなどの進捗がわからない、モノづくりプロセス全体が滞ってしまうケースも見受けられます。

そういった意味では、管理業務に限らず、業務の属人化は製品やサービスの品質劣化や納期遅延を招く一因と言うことができ、業務の見える化はモノづくり企業での重要課題と言えます。

外注管理で目指す姿

管理業務の見える化に向け、「デジタルかんばん」「タスクスケジューラ」といったツールの活用が進んでいます。

かんばんとはトヨタ生産方式を代表する特徴的なツールの一つで、1ロットごとに「かんばん」と呼ばれる、部品の種類と量などといった情報を示した伝票を使用して、下流工程からの部品供給指示に従って、部品にかんばんをつけて納入します。下流工程に納品されたのと同時にかんばんが外され、そのかんばんによって次ロットの発注処理がなされるといった、部品や製品の流れと情報を同期させた生産システムです。
近年では、このかんばん伝票が、紙から2次元コードやRFIDといったデジタルベースのデジタルかんばんに置き変わっています。これにより、「何が」「どこに」「どれだけ」あるかといった情報が一元的に管理でき、ネットワークやクラウドシステムの発達普及により、モノづくり現場だけではなく、サプライヤーから販売まで含めたモノの流れを見える化するためのサプライチェーンマネジメントとして広がりを見せています。

一方で、かんばんは、部品や製品といったモノの流れの管理に関しては適していますが、外注の納期管理やプロジェクト管理といった、時系列が必要な情報の管理が苦手と言えます。そこで、デジタルかんばんと併用されるのがタスクスケジューラのようなスケジュール管理ソフトです。これにより、モノや情報の流れと時系列をリンクさせ、「何が」「いつ」「どこに」「どれだけ」あればよいのかを見える化することができます。

自社の中であれば、現場に足を運んだり、打ち合わせの機会を設けたりして、比較的簡単にプロセス管理をすることができますが、外注となるとさまざまな勝手が違うので、そうはいきません。そのため、属人的になりやすい管理業務をデジタル化、見える化することは、モノづくりプロセスの効率化=全体最適にもつながります。

執筆者プロフィール
伊藤 慶太
技術士(機械部門 専門:加工・ファクトリーオートメーショ及び産業機械) 大学卒業後、生産設備メーカーでNC加工業務や半導体関連設備の機械設計業務を経験。 現在は、産業用機器メーカーの生産技術職としてIE(Industrial Engineering)手法をベースに、生産工程自動化設備の計画・設計やIT・IoT活用などよるファクトリーオートメーション業務に広く携わる。

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